あすなろクラブは、国立成育医療研究センターの前身である国立小児病院と、現在の国立成育医療研究センターで小児がんの治療・療養・フォローアップを受けている患者とその家族がつくる会です。

「会」の母体は1989年国立小児病院小児科医師の呼びかけによってできた「血液科の会」です。当初「血液科の会」は、医師による医療最新情報を家族に提供する場として活動していました。しかし、医療者と患者・家族、患者・家族同士といった双方にとって情報交換をする場の必要性が課題としてあげられました。また今後起こりうる諸問題への討議や癒し、励まし合いなどメンタルヘルスを支える場の確保など、様々なニーズに応える必要性があげられました。そこで1990年、医療スタッフを含む有志家族によって血液腫瘍科親の会である「勇気の会」が発足しました。

2002年には国立大蔵病院と国立小児病院が統合され、国立成育医療センターが設立します。また2007年のがん対策基本法により、国は「がん対策推進基本計画」で、小児がんを重点的に取り組むべき課題の一つとして位置付けました。小児がん患者とその家族が、安心して適切な医療や支援を受けられる環境の整備を目指し、国立成育医療研究センターはその中核を担う病院に指定されました。国立成育医療研究センターでは小児がんにおける診療体制・支援体制のより一層の充実をはかるため、2013年9月に「小児がんセンター」を開設しました。その流れをうけ、勇気の会は「あすなろクラブ」に改め、新体制をスタートさせたのです。

現在あすなろクラブは、療養生活での不安・悩み・疑問、治療終了後の成長過程に伴って起きるそれぞれの問題について、同じような体験をした者同士で語り合い、わかちあい、励ましあって、相互交流を目的に活動しています。医療関係者の協力を得ながら、乳児期から成人期のすべての発達期にある小児がん患者・家族の方々と共に歩むことをめざしています。